VOL.149【ご質問フォーム】 -商と余り-
【ご質問フォーム】より解説の依頼がありましたのでお答えしたいと思います。
<問題>
3で割ると割り切れ、9で割ると余りが出る整数があります。
この整数を3で割った商と9で割った商と余りを全部足すと100になります。
この整数はいくつですか?すべて答えなさい。
<解説>
「商と余り」がテーマの問題です。
「倍数」や「公倍数」がきちんと理解できていないと、正解するのが難しいでしょう。
解法はいくつも考えられますし、こういった数の性質の問題は数学で解くことも可能なので、小学生が理解しにくい解説がされている可能性があります。
なるべく「算数」らしく、しかも「かっこ良く」解きたいと思います。
まずは当たり前のことから確認していきましょう。
〈図1〉の数直線は3の倍数をあらわし、そのうち9の倍数は「○」をつけています。
3の倍数の3個に1個は9の倍数であることが分かります。
また、9の倍数ではあるが、3の倍数ではないような数はありません。
このことをベン図であらわすと〈図2〉のようになります。
ここまで理解できていると、「この整数」は2パターン考えられることがわかります。
①9で割って3余る数(9の倍数+3)
②9で割って6余る数(9の倍数-3)
これを図にあらわすと〈図3〉、〈図4〉のようになります。
①が〈図3〉で②が〈図4〉です。
ここで①、②とちょうど割り切れる数(図中のM,N)の「3で割った商と9で割った商と余り全部の和」(以下「商と余りの和」と呼ぶことにします。)の差を調べます。
①について
3÷3=1 ・・・商
あまりは3なので、Mの「商と余りの和」は①よりも
1+3=4
大きい。
②について
9÷9=1 ・・・商
3÷3=1 ・・・商
あまりは6なので、Nの「商と余りの和」は②よりも
6-(1+1)=4
大きい。
以上より、M=Nであり、その「商と余りの和」は
100-4=96
であることがわかります。
9の「商と余りの和」は
9÷3=3、9÷9=1、3+1=4
なので、nは
9× 96 4 =216
となり、答は
216-3=213 ・・・(答)
216+3=219 ・・・(答)
<確かめ>
213÷3=71
213÷9=23 ・・・6
71+23+6=100
219÷3=73
219÷9=24…3
73+24+3=100
<別解>
この整数を9で割ったときの商をaとします。
あまりとして考えられるのが3と6なので、場合分けします。
i) 余りが3の場合
3で割ったときの商は
9÷3=3
より
3×a
よって次の式が成り立ちます。
a+3×a+3÷3+3=100
a=24
よって
9×24+3=219
ii) 余りが6の場合
同様に
a+3×a+6÷3+6=100
a=23
よって
9×23+6=213
いかがでしたでしょうか。
これからも質問をお待ちしています。
どうぞよろしくお願い致します。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題整数
難易度★★★☆☆
整数Aを整数Bで割った商を(あ)、余りを(い)とし、
整数Aを整数Cで割った商を(う)、余りを(え)とするとき、
(あ)+(い)+(う)+(え)を
[A*(B,C)]
とあらわすこととします。
(1)[N*(4,16)]=100(ただしNは整数かつ16の倍数ではない)
となるようなNをすべて求めて下さい。
(2)Pは3の倍数、Qは4の倍数です。(ただしP≠0かつ9の倍数ではない,Q≠0かつ16の倍数でない)
[P*(3,9)]+[Q*(4,16)]=100
が成り立つとき、P+Qの最小値と最大値を求めて下さい。
解答が表示されます