VOL.144【入試問題を解いての感想】 -(2)灘 二日目-
中華人民共和国湖北省等において、新型コロナウイルス感染症が多数発生し、日本国内においても複数の患者が確認されているようです。
まだ、流行してるとまでは言えないようですが、受験生としては、備えを万全にしておかなければいけません。
対策は
①手洗い
②健康管理
③適度な湿度を保つ
といったことが考えられます。
特に手洗いはすぐにでもできるので、この際習慣にしても良いかもしれません。
石鹸を使ってしっかり洗うようにしましょう。
健康管理は「抵抗力」を保つという意味があり、これもかなり重要だと思います。
睡眠を十分にとり、バランスの良い食事を心がけてください。
空気が乾燥するとのどの粘膜の防御機能が低下するようです。
乾燥しやすい室内では加湿器などで適切な湿度(50~60%)を保つようにしましょう。
今現在、ドラッグストア等でマスクの売り切れが続出しているようです。
ただ、マスクは症状がある人が着用することによって感染の拡大を防ぐ効果は期待できると思いますが、予防用としては、どこまで効果があるかはっきりしないところがあります。
症状のある人に近寄らないのは当たり前ですが、人混みの多い場所にも極力行かないようにし、手指を清潔に保っておけば、ある程度は感染を防げるものと思います。
受験直前はインフルエンザ対策が必須ですから、その予行演習も兼ねてしっかりと対策を行うようにしましょう。
前回に引き続き、入試問題を解いての感想を書いていきたいと思います。
が、その前に合格者平均点について少し触れたいと思います。
今年度、灘の算数の合格者平均点は、1日目が72.0点、2日目が71.2点でした。
前年に比べて、1日目は22.2点、2日目は14.2点上がっています。
一般的に、問題が難しい方が算数が得意な受験生がドカンと稼ぐことができるので有利であると考えられていると思います。
では今年の算数の易化は算数が得意な受験生にとっては不利だったのかというと、そんなことはありませんでした。
私が合格者の平均点と不合格者の平均点の差を計算したところ以下のようになりました。
1日目 | 2日目 | |
---|---|---|
2020年 | 25.0 | 23.8 |
2019年 | 18.0 | 19.5 |
平均点が下がるとその分差も小さくなってしまうのですね。
受験者平均点が5割台で合格者平均点が7割程度というのは差がはっきりでる適切な難易度なのではないでしょうか。
そういった意味でも本年度の灘二日目の問題は素晴らしい内容だったと思います。
◎灘 二日目
1グラフを描いたり、正しいグラフを選ぶ問題。
その場で考える必要はありますが、本校の受験生にとってはやさしい問題だったでしょう。
25桁・6桁の数を推理する問題。
それほど多くの可能性があるわけではないので、全部調べればそれで終了とも言えます。
ここまでは点数を取りやすかったはずなので、各自実力を発揮できた試験だったのではないでしょうか。
3デジタル時計のよくある問題。
「2」が3つ・2つ・1つある時間をそれぞれ求めるのですが、最後の1つは余事象を利用するのが普通でしょう。
ここまで調べる問題が続いたのでそろそろ息切れしてきた受験生もいたかもしれません。
4円の中心が正三角形の辺上を動く問題。
どちらかと言うと1日目で出題されそうな内容です。
そもそも間違えやすい設定なのですが、(2)は考え方で差がつきそうだと感じました。
(1)の経験が正確な作図を可能にするとは思いますが、計算する上では(1)の結果は使いにくかったでしょう。
5四角すいの切断の問題。
この問題が正解できれば本校の合格レベルに達していると思われる問題だと思います。
(1)からして複数の解法が考えられ、シンプルな割には油断ならない問題となっていました。
全体的に、その場で考える力が必要な問題が並びました。
3と4は数字の処理がやや煩雑なので、そこで差がついた可能性もあったと思います。
単純な学習量よりも、日頃から考える姿勢が求められる非常に良質な問題だったと思います。
本校の場合いつものことですが、出題者の顔が見える、とくに本年度はやさしい眼差しを感じることができる問題だったと思います。
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