VOL.134【受験お役立ち情報】 -「記述式対策」-
2020年度に予定されていた大学共通テストへの英語民間試験活用の延期が発表されました。
こうなると、「数学」と「国語」で導入が決まっている「記述式問題」がどうなってしまうのか、少し心配になります。
これはあくまでも個人的な意見ですが、「思考力」をみたいのならば、解答の形式を「記述」にする必要はなく、解くのに「思考力」が必要な問題を出せば良いと思います。
採点のことを考えると「記述式」は無理があるのではないでしょうか。
初年度に受験しなければならない世代の人たちは本当に気の毒ですが、条件は皆同じなので、本質的な学力を身に着けて準備に充てて欲しいと思います。
今回の【受験お役立ち情報】は「記述式対策」です。
大学共通テストの「記述式」がどうなるかはまだわかりませんが、中学入試では「記述式」は増加傾向にあるようです。
中学受験の場合、科目によって「記述式」の大切なポイントは異なります。
このブログでは当然「算数」に絞るわけですが、最初にどの科目にも当てはまる原則を書いておきます。
1.字は丁寧に書く。読みやすい字を意識すること。
2.適度な文字の大きさになるように留意する。
3.できればレイアウトを美しく(文字が蛇行したりしない)。
これらは採点をしてもらうという立場からは当然のことばかりです。
少なくとも「読める字」は書くようにしてください。
さて、「算数」の記述で大切なポイントに移りたいと思います。
算数の場合「式や考え方を書きなさい」という指定が多いので、「式」を書くことが前提になると考えてよいでしょう。
ここで悩ましいのが、式をいきなり解答用紙に書き込みながら問題を解くべきか、それとも一旦答を出してから、式を清書すべきか、という問題です。
結論から言うと、ケースバイケースとしか言いようがありません。
実際に出題された問題、本人の学力、どういった対策をしてきたか等で、戦略は変わってきますから、ハッキリどちらかというわけにはいかないでしょう。
ただ、「過去問演習」を通じて自分のスタイルを確立することは可能でしょうから、是非そのことも視野に入れながら「過去問演習」に取り組むようにしてください。
その際、指導者が傍にいれば、それほど心強いことはないでしょう。
指導者と二人三脚で、自分のスタイルを作っていくようなイメージですね。
次に考えたいのは「答」以外の部分の必要性についてです。
このことについては、各学校の説明会で確認済みとは思いますが、改めて意識してみてください。
配点から2つに分けることができます。
①答が合っていれば満点。間違っている場合、途中式等に加点する。
②途中式等と答にそれぞれ配点がある。
①は答さえ合っていればよいので、式が無くても問題ないのですが、間違っている可能性もあるので、最低限の式は書いておきたいですね。
②は答が合っていても式が無ければ減点となる厳しいものです。
式についても加点の要素が強い学校と減点の要素が強い学校があります。
どういうことかと言うと、加点の要素が強いというのは、何か書いてあれば点数が入るというイメージです。
それに対し減点の要素が強いというのは、完璧な答案が求められ、それに足りないと減点されるという最もシビアな採点方法です。
①は「記述式」を特に意識する必要がないと言えそうですが、②は対策が必要です。
特に減点の要素が強い場合、内容が不足していれば減点される上、余計なことを書いても減点されるおそれがあることから、記述対策にある程度時間をかける必要があるでしょう。
受験する学校がどのような方針で採点するのかは非常に大切なので、今一度確認することをお勧めします。
それではまとめます。
1.記述式の問題の対策は、人それぞれである。
やるとなったら専門家とマンツーマンで取り組むことが望ましい。
そして自分のスタイルを確立すること。
2.学校によって「記述」問題の出題意図が異なるので、事前の確認は必須。
採点の基準等の情報を手に入れたい。
3.何よりも大切なのは正解すること。
記述にとらわれるあまり、時間が足りなくなったり、本来ならば解けるものが解けなくなるようなことがないようにする。
自分のペースは崩さないようにしよう。
「記述式」といっても特に恐れることはありません。
平常心で自分の力を発揮できるような準備をしましょう。
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