VOL.30志望校対策(3) 「聖光学院」
志望校対策の第三回は「聖光学院」です。
本校は神奈川男子の中でトップクラスの難関校です。
出題の特徴は「普通に難しい」ことだと思います。
にもかかわらず、合格者平均点は高めです。
算数が得意な猛者達が集まる入試であると考えて良いでしょう。
算数が苦手だと厳しい学校かもしれませんが、対策を考えていきたいと思います。
出題分野の傾向ですが、男子トップ校に共通するテーマである「平面図形」、「立体図形」、「速さ」、「場合の数」、「数の性質」等がバランス良く出題されています。
本校は差がつきやすい問題ということもあり、合格者と不合格者では大問1問分以上点数が違います。
主要テーマの中で苦手分野があり、皆ができる問題を落としてしまうとかなり不利になってしまいます。
苦手分野がないように穴を埋めておきましょう。
とは言うものの、ある程度以上できるようにならないと歯がたたないのが本校の問題です。
過去問で難易度を確認し、主要テーマに関してはそのレベルまで実力を引き上げておかなければなりません。
その際ネックになるのが「立体図形」と「場合の数」でしょう。
他はできてもこの2つの分野は苦手という受験生もいると思います。
しかし、昨年の出題は、大問5問中「立体図形」2題、「場合の数」2題だったのです。
苦手なんて言ってる場合ではありません。
このブログの中でもこの2つの分野に関しては何度か取り上げてきました。
「立体」はやればなんとかなる、「場合の数」は正解できるかどうかは当日次第のところがあるので気持ちを楽に、というのが私の考え方ですが、本校に関してはできる範囲の問題であるならば確実に正解できる実力を身に着けておかなければなりません。
その力を身に着けるにはそうしたらよいかというと、普段から「書いて書いて書きまくる」ということになるでしょう。「立体図形」の作図、「場合の数」の調べ上げは、共に「手を動かして考える」という算数の基本そのものです。
書いた経験が蓄積され、それが「思考力」、「正解力」へとつながっていきます。
結局、最終的には基本に戻るということなのでしょう。
そういった意味では本校の入試問題は良質だと思います。
受験する側も安心して「算数力」を高めることに打ち込めます。
ポイントをまとめます。
- ある程度高めの難易度で安定している。
- 出題分野はオーソドックス。
- 途中式を書くとしても1題だけ。作図は毎年のように出題されている。
- 当然のことながらミスは許されない。
- 過去問で難易度のレベルを掴むことは絶対に必要。そして、そのレベルを越えなければならない。
本校の場合、過去問を解いてコンスタントに120点を超えるようであれば、算数に関しては合格レベルにあると考えられます。
少なくとも受験者平均点に近い点数は欲しいです。
ただ、算数の場合は大問1問分位はちょっとしたことで変わってきます。
最後まであきらめずに頑張れば、良いことがあるかもしれません。
特に、本校の場合は1回ダメでも2回目があります。
そこまで行くと、最後は気持ちの勝負です。
私も、皆さんの合格したいという気持ちを応援していきたいと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の練習問題聖光学院
難易度★★★☆☆
名門君、タカシ君、ヒカル君の3人がA地点を同時に出発してそれぞれ一定の速さでB地点まで歩きました。
名門君は途中にある公園に一番最初に着きましたが、公園で休憩をすることにしました。ちょうどそのときタカシ君は公園まであと480m のところにいました。
3人が出発してから13分20秒後、公園からタカシ君までの距離とタカシ君からヒカル君までの距離が160mで等しくなりました。
さらにタカシ君が公園の前を通過したとき、ヒカル君は公園まであと192mのところにいました。
その後、タカシ君は帽子を落としたことに気がつき、来た道を引き返したところ、公園の前でヒカル君とすれ違いました。しばらく行って帽子を見つけたタカシ君は、帽子を拾うとすぐにB地点に向けて歩き出しました。
名門君は30分の休憩を終えて、B地点に向けて出発しました。
結局、3人は同時にB地点に着きました。
(1)
A地点から公園までの距離は何mですか。
(2)
タカシ君が帽子を落とした地点からB地点までの距離は何mですか。
解答が表示されます