VOL.25和差に関する問題(2)
夏休みが終わりました。
頑張った皆さん、本当にお疲れ様でした。
ただ、受験では、合格を勝ち取るまではゆっくりと休んでいる暇はありません。
気持ちを新たにして頑張っていきましょう。
前回は、夏に獲得した「基本的な力」を活かすべく、「得点力アップ」を目指しましょうと書きました。
そして、「得点力アップ」の具体的な方法を4つ挙げました。
かなり重要なのでもう一度掲げます。
① 計算ミスをしない。
② 問題文をよく読み、正確に答える。
③ 検算、吟味を適切に行う。
④ 時間配分を誤らない。
① の計算ミスについて、どうしたら防げるかという質問をよく受けます。
一番大切なのは「本人の自覚」で、これは間違いないと思います。
技術的な改善策としては「計算量そのものを減らす」ことが最も有効です。
これによって、スピードも獲得できます。
「速い」・「楽楽」・「ミスがない」の3拍子が揃うわけです。
どうやって計算量を減らすかについては色々あるので全部は紹介できませんが、すぐに使えそうなものを以下に書きます。
ⅰ 全部まとめた式をたてる
ⅱ 分配法則・その逆の利用
ⅲ 割り算は分数の掛け算になおす
ⅳ 分数の掛け算は約分の要領でおこなう
ⅴ 重要なもの(三角数・四角数etc.)は覚えておく
これらを実践する上で気をつけておくべきことは、「なるべく筆算はしない」ということです。
逆に言えば上記 ① ~ ⑤ をやっていけば筆算が回避できる可能性が高くなるのです。
なぜ筆算を避けたほうが良いかというと、計算ミスが最も多く発生するのが“掛け算の筆算”の“足し算の繰り上がり”のところだからです。
これは、受験生のレベルに関係なく一定の確率で起こっているように思います。
私は生徒にやむを得ず筆算をする時は2、3回確認しながらすすめるように指導しています。
まずは計算ミスを無くすように、ⅰ~ⅴにチャレンジしてください。
夏休みが終わったので、以前のようにカリキュラムにそってやっていきたいと思います。
今回のテーマは「和差に関する問題」、Vol.19の続きです。
まずはワンポイントアドバイスから。
消去算 | 未知数の数が2個なら式が2個、3個なら3個立てば解けることを理解しておきましょう。加減法と代入法のマスターは必須です。 |
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過不足算 | 線分図を書くのが基本ですが、問題によっては面積図がわかりやすいケースもあります。単純なら線分図、複雑なら面積図という使い分けも良いでしょう。 |
逆に買う | あたりまえのことですが、同数の部分に関しては逆にした影響はありません。個数が多い(少ない)部分だけで「差集め算」になっています。そこの数がわかれば後は「和差算」になります。面積図による解法(片方を逆さにして長方形をつくる)も有力です。 |
基本的な過不足算は「余る」「足りない」「ちょうど」の3パターンのうちのふたつの組み合わせなので、全部で5通り(「ちょうど」+「ちょうど」は無いため)のパターンがあることになります。
この5通りに対してどのような式になるのかを暗記するようなやり方はお奨めできません。
やはり、線分図等を書いてその場で考えるのが基本になります。
考えた分だけ「力」がつくことは今までも述べてきました。
結局このような暗記は入試本番ではほとんど役に立ちません。
むしろ、考える機会を失うマイナスのほうが大きいでしょう。
秋以降も「自ら考える」ことは重要です。
その姿勢を貫きながら「得点力アップ」を目指しましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題過不足算
難易度★★★☆☆
飴とそれを詰める大箱、小箱があります。大箱1箱に16個ずつ、小箱1箱に12個ずつ詰めると飴が150個余りました。次に、大箱1箱に24個ずつ、小箱1箱に18個ずつ詰めると飴が350個足りませんでした。そこで、大箱1箱に19個ずつ、小箱1箱に13個ずつ詰めると全部のあめをぴったり詰めることができました。
(1)飴は全部で何個ありますか。
(2)大箱と小箱はそれぞれ何個ですか。
解答が表示されます