VOL.106【図形に強くなる】 -立方体-
先日船に乗る機会があったのですが、とても楽しい時を過ごすことができました。
ただ、子供のころは船に乗るのは苦手だった思います。
原因は船酔いです。
元々、車でも酔ってしまう体質だったので、船はきつかったはずです(なぜか、記憶はほとんどありませんが)。
どうやって克服したかというと、単純に慣れたのです。
学生の時、ひと夏の間、屋形船に乗るアルバイトをしたのですが、最初の2、3日の地獄を抜けたあとは、何も感じなくなりました。
このことは「算数」にも当てはまるような気がします。
- 「苦手克服」はまず慣れること。
- 最初はきついかもしれないが、それを抜ければどうってことはない。
- 一度「克服」してしまえば、その後は同じことで悩む可能性は低い。
「算数」の場合は3日では「苦手克服」は難しいでしょうが、抜けた先には楽しい世界が広がります。
一緒に頑張っていきましょう。
さて、今回のテーマは「立方体」です。
代表的なものを解説していきます。
i)展開図
「立方体」の「展開図」は全部で11種類です。
まず、この「11」は何となく頭に入れておくとよいでしょう。
そして、大切なのは、自分なりに「展開図」の形を分類し、その気になれば11種類全部を描けるようにしておくことだと思います。
〈図1〉が11種類の「展開図」です。
私なりの分類をしておきました。
おすすめです。
また、有名な「立方体の最も遠い頂点同士は、展開図上では二つの面をつないでできた長方形の対角にくる」というのも使い勝手が良いです。
〈図2〉を参照してください。
ii)立方体のくりぬき
ズバリ「輪切り方式」が有効です。
複雑な問題になると頭の中だけで処理するのは相当大変です。
なので、段ごとに書き出す「輪切り方式」が良いのですね。
特に「体積」を求めるときに有効で、ほぼ数えるだけの問題にすることができます。
「表面積」を求める問題の場合は「輪切り方式」よりも「投影図」が有効ということもあります。
≪問題≫
〈図3〉のように、4×4×4=64(個)の1辺1cmの小立方体で作った立方体があります。
これを〈図4〉のように3方向から反対側まで小立方体を取り除いた立体の、体積と表面積をそれぞれ求めてください。
≪答≫ 体積…47cm3 表面積…136cm2
〈輪切り方式〉
14+8+11+14=47(cm3)
〈投影図〉
(22+22+24)×2=136(cm2)
iii)立方体の積み木
私はよく「数量→図形」という変換を行うと良いと言っているのですが、この「立方体の積み木」の場合は「図形→数量」が有効です。
〈図5〉のような立体は〈図6〉のように上からみた時、何段重なっているかを数字で書きます。
これで「体積」も「表面積」も対応できます。
以上のようにそれぞれ有効なやり方がある程度決まっているので、勉強はしやすいと思います。慣れるまでチャレンジを続けましょう!
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今週の1題立方体
難易度★★★☆☆
〈図1〉は、1辺が1cmの小立方体を1辺が7cmの立方体になるようにつなげたものです。
これを〈図2〉のように3方向から反対側まで小立方体を取り除く、立体Pを作りました。
(1)立体Pの体積は何cm3ですか。
(2)立体Pの表面積は何cm2ですか。
解答が表示されます