VOL.22夏期講習 第3回 「 図形 」
夏期講習の第3回は「図形」についてです。
以前にも書きましたが、「図形」が苦手だと算数が苦手になってしまう、という傾向があります。
逆に「図形」が得意ならば、それは大きな武器になります。
算数を得意科目にする、あるいは苦手から脱却する近道は「図形攻略」にあると言えるでしょう。
一言で「図形」と言っても「平面図形」「立体図形」「動く図形」等の分野があり、「速さ」や「規則性」「場合の数」に関係してくることもあります。
文章題を解くときも図をかくことがほとんどで、それも「図形」とみれば、結局のところ算数全般に関係していると考えて良いでしょう。
「図形」の重要性はおわかりいただけたと思います。
この夏に図形を強化するのは良策ですが、どこから手をつけていけば良いか、悩ましいところです。
前回の繰り返し用の教材は分野が偏らないようにやるのが良いのですが、特に図形を強化したい場合のやり方について説明します。
個人差はありますが、まずは「平面図形」から取り組みます。
「立体図形」はいかに平面的にみるかがポイントですし、動く図形は「動いていない(止めた)」状態をかいて捉えるので、それをかいた時点で「平面図形」です。
ですからこの夏は「平面図形」に絞るのもありでしょう。
「立体」等は全体の復習に任せ、「平面図形」に取り組むことによって「図形的感覚」を研ぎ澄ますのです。
「図形」中の各分野は「図形的要素」と「数量的要素」のバランスに差があります。
例えば「面積」を求める問題は、必要な数値が分かれば、
これに対し「合同を発見」し、
「図形的要素が強い」ということをもう少し説明します。
面積を求める問題を例にします。
長方形の縦と横の長さがわかっていれば“縦×横”を計算するだけですから、分野としては「平面図形」ですが、「図形的要素」はほとんどありません。
それに対し、長方形の中を「道」が通っているような問題は、「道」を取り除いた後、残りをくっつけるとまた長方形ができるので、それを元に答を求めることになります。
「形を整える(図形的要素)」 ⇒ 「計算(数量的要素)」という2段階になります。
「形を整える」分だけ「図形的要素」が強くなりました。
「図形的要素」とは「形から成り立っている内容」と言い換えることができます。
この要素が強い問題に取り組むことで、「形から導かれることがらをもとに理論を組み立てる」練習をすることができます。
また、覚えなければいけないものはそんなに多くないので、問題演習に至るまでのハードルは低いでしょう。
「平面図形」の中でも「図形的要素」の強い問題からやっていきましょう。
必要な数値がわかっている求積問題は公式にあてはめるだけなので、ほとんど計算問題です。
時間はかかりますが「図形的感覚」はほとんど鍛えられません。
「形」が見えれば面白いように解ける問題をスピーディーに解いていくようにしましょう。
一瞬にして解けるのは「図形問題」の醍醐味ですし、入試において大きな武器になります。
今回は「図形的要素」の強い問題を3題用意しますので、「図形的感覚」の向上に役立ててください。
きっと図形が好きになりますよ。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の復習3題平面図形
難易度★☆☆☆☆
❶ AB=ACの二等辺三角形を、Bを中心に反時計回りに32°回転させると〈図1〉のようになりました。 xを求めてください。
❷ 〈図2〉は円と正方形を組み合わせた図形です。黒い部分と斜線部分の面積の差を求めてください。ただし円周率は3.14とします。
❸ 〈図3〉でAD:DB=2:1、BE:EC=3:1、AF:FC=3:2です。DG:GEを求めてください。
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