VOL.100連載100回記念! -「100」の性質-
祝100回!
ここまで来ることができたのも皆様のおかげです。
これからも頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
せっかくですから今回は「100」の性質について問題形式で見ていきたいと思います。
【平方数の和】
100は平方数ですが、異なる2つの平方数で表すこともできます。
<問題>
100=A×A+B×B (A<B)
AとBはともに整数です。AとBそれぞれ求めてください。
(答)
A=6、B=8
(解説)
皆さんは「ピタゴラスの定理」をご存知でしょうか。
中学の数学で習うのですが、小学生も知っておいた方が良い「定理」だと思います。
そもそも「定理」とは何かという話からしなければいけませんね。
実はそれを説明するには「公理」と「定義」という言葉も理解しなければなりません。
まず「公理」からいきましょう。
前提となる基本的な仮定と言えばわかっていただけるでしょうか。
例えば、2つの点が与えられたとき、その2点を通る直線を引くことができる、というようなものがあります。
小学生の場合は「理由なく正しいこと」という認識で良いと思います。
次に「定義」です。
簡単に言うと、その用語の意味を明確に述べたものが「定義」です。
例えば、三角形の定義は「三つの直線で囲まれた図形」です。
そして、「定理」とは、「公理」と「定義」から導かれる事柄です。
厳密には問題があるかもしれませんが、とりあえず感じはつかんでいただけたでしょうか。
※「ピタゴラスの定理」
直角三角形の斜辺の長さをc、他の2辺の長さをa、bとすると
c×c=a×a+b×b
が成り立つ。
このことは直角三角形の3辺のうち2辺がわかれば、残りの1辺は計算で求められることを意味しています。
また、a、b、cが全て自然数の組を「ピタゴラス数」といいます。
実は
100=10×10
なので、(6、8、10)はピタゴラス数です。
【立方数の和】
立方数とは同じ数を3回かけ合わせてできた数です。
<問題>
100=A×A×A+B×B×B+C×C×C+D×D×D (A<B<C<D)
A、B、C、Dはどれも整数です。A~Dを求めてください。
(答)
A=1、B=2、C=3、D=4
(解説)
一見難しい問題のように見えますが、すごく簡単に解決します。
5×5×5=125
なので、AからDが1、2、3、4、に決まります。
実際に確かめてみると正解であることがわかります。
【立方と平方の差】
これはすぐにピンとくるかもしれません。
<問題>
100=A×A×A-A×A
Aが整数だとすると、Aはいくつですか。
(答)
A=5
(解説)
上に5×5×5がでてきましたが、
5×5=25
ですから、A=5とすぐにわかります。
まともに解くならば
A×A×A-A×A=A×A×(A-1)
と変形することができます。
また
100=5×5×4
なので、
A=5
であることがわかります。
【素数の和】
100を素数の和であらわすことを考えます。
<問題>①100を9個の連続する素数の和であらわしてください。②100を2個の素数の和であらわす方法は6通りあります。
すべて求めてください。(答)①2+3+5+7+11+13+17+19+23②3+97、11+89、17+83、29+71、41+59、47+53(解説)
素数を書き出します。
2、3、5、7、11、13、17、19、23、
29、31、37、41、43、47、53、59、
61、67、71、73、79、83、89、97①小さいほうから順番に9個を足すと「100」になるので
100=2+3+5+7+11+13+17+19+23②小さいほうから順番にペアにして100になるものを探します。
100=3+97=11+89=17+83=29+71=41+59=47+53
結構たくさんあるんですね。
楽しんでいただけたでしょうか。次はまずは200回を目標にしていきたいと思います。
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今週の1題小町算
難易度★★☆☆☆
100をつくる問題です。
(1)1□2□3□4□5□6□7□8+9=100
□には+、-、×、÷のいずれかがはいります。
上の式が成り立つように完成してください。
(2)3+ 6□□□□ 7□4 =100
1から9すべての数字を使い、帯分数のかたちで100にしてください。
ただし、3、4、6、7の位置は上の式のようにわかっています。
解答が表示されます