VOL.94【計算名人への道】インド式計算(2) -2桁×2桁の暗算-
前回、「インド式計算」の「10の位の数字が同じで、1の位の数字の和が10になる場合」を紹介しましたが、その後の「今週の1題」でも明らかなように、「10の位以上の数字が同じ」でも、あの方法が使えます。
理由は面積図から明らかだと思いますが、そういったことに自分で気づけると良いですね。
※具体例を挙げておきます。
123×127を求めます。
①12×(12+1)=156
②3×7=21③よって(答)15621
さて、今回も「インド式計算」の一つを紹介したいと思います。
使える範囲が広い「2桁×2桁の筆算」です。
これのやり方については、ちょっと調べただけで3通りほどありましたので、「筆算」が最もやりやすそうなものを紹介したいと思います。
では、56×79を例にやり方を説明します。
もう少し例を挙げておきます。
どうでしょうか。
「日本式」とあまり変わりなかったですか。
このやり方には明らかなメリットがあります。
「日本式」の場合、筆算の過程で位が上がったときの数字を小さく書いてメモすることがありますが、それをやらなくて済む、これが大きいのです。
特に小学生の場合まだ上手に字を書けていないこともあり、あの小さな数字のメモが原因で計算ミスをすることが多々あります。
その心配が無くなるだけでも「インド式」を取り入れる価値はあると思います。
そして、今回最も言いたかったことは、「2桁×2桁の掛け算の暗算」にチャレンジしようということです。
計算ができる・できないを分けるのは暗算の力だと思っています。
「間違いを防ぐために暗算は避ける」ということとは別問題です。
日頃から暗算力を高めるためのトレーニングを行っていれば、計算力不足に悩まされる心配はなくなります。
そこでおすすめなのが、「2桁×2桁の掛け算の暗算」を「インド式」で行うというものです。
56×79を例に私のやり方を説明します。
まず先に
5×9+6×7=87
をやってしまいます。
この87をしっかりと頭にやきつけます。
次いで、
6×9=54
より、一の位は4で確定ですから4は書きます。
次いで十の位は先ほど記憶しておいた7と5を足せば良いので
5+7=12
より、十の位は2、
8+1=9
ですから、最後に
5×7+9=44
をやり、すでに書いてある24の前に44を書いて
56×79=4424
が完成します。
こうやって説明すると面倒なようですが、慣れれば難しくないので、パズルを解くような感覚で楽しんでもらえればと思います。
自分なりのやり方でかまわないので、色々と試してみてください。暗算力の向上に役立ちますよ。
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今週の1題整数問題
難易度★★☆☆☆
2桁の整数を以下の規則に従って次々と書いていきます。
- 1番目の二桁の整数はA、2番目の二桁の整数はBとする。
- 3番目以降の整数はその直前に書かれている2数を掛け合わせてできた3桁または4桁の整数の百の位・十の位をそれぞれ十の位・一の位とする二桁の整数として書き込む。
例えば「56 83」の次は
56×83=4648
なので、「64」を書き込む。 - 直前の2数の積の百の位だけが「0」のときは「0」を「9」に置き換えてから書き込む。
例えば「36 56」の次は
36×56=2016
なので「0」を「9」に置き換えて「91」を書き込む。 - 直前の2数の積の百の位と十の位が共に「0」のときは「0」を書き込み、そこで終了する。
(1)A=12,B=34のとき何番目を書き込んで終了となりますか。
(2)AとBが共に3の倍数のとき、3番目を書き込んで終了となるようなAとBの組み合わせ(A,B)を全て求めてください。
ただしA<Bとします。
解答が表示されます
(2)(12,84)(21,48)(24,42)(69,87)