VOL.93【計算名人への道】インド式計算(1) -2桁×2桁の暗算-
皆さん、こんにちは。
このブログも3シーズン目に突入することとなりました。
ここまで来ることができたのはご覧になってくださった方々のおかげです。
これからも受験生の助けになるような情報を発信していきたいと思います。
よろしくお願い致します。
さて、現6年生はこれから受験が佳境に入るわけですが、新6年生も1年後には受験本番直前なんですね。
まだまだ先のことと感じられるかもしれませんが、やらなければいけないことが山のようにあるのも確かです。
優先順位を明確にして計画的に取り組んでいってもらいたいと思います。
「算数」に関してはどこまでいっても「計算」が大切であり、できなければネックになってしまうということを感じます。
じつは「計算」は大学受験でも大切なので、今からしっかりと鍛えておきたいですね。
そこで、しばらくの間「計算名人への道」と題して、計算が強くなりそうなお話をしていきたいと思います。
第一回は「インド式計算」についてです。
「インド式計算」はかなり前から脚光を浴びていたようですが、私は特に必要性を感じなかったので、自分の指導の中に取り入れるということはありませんでした。
しかし、「日本式」よりも楽なことが多く、色々とメリットがあることも確かです。
「インド式計算」は数々の本が出版されており、ネットでも色々書かれています。
私は、何をもって「インド式」かということを完全に理解しているわけではないのですが、受験算数での活かし方のようなものはわかってきたので、それを紹介したいと思います。
「インド式計算」の特徴は
①パターンが細分化されている
②数学の考え方がベースになっている
【例】(10a+b)(10c+d)=100ac+10(ad+bc)+bd
といったところでしょうか。
中学受験で絶対的に有用と思われるのが2桁×2桁の掛け算です。
その中でも特ににマスターしておいた方が良いものを今回紹介したいと思います。
それはズバリ
「10の位の数字が同じで、1の位の数字の和が10になる場合」
です。
では具体例を挙げて説明しましょう。
87×83
のような計算は九九の延長でできてしまいます。
8×(8+1)=72
と
7×3=21
この2つをくっつけて7221が答です。
34×36
なら
3×(3+1)=12
4×6=24
より、1224が答です。
ほとんど時間がかからないですね。
当然筆算する必要はありません。
ぜひマスターしてください。
なぜこうなるかを考えてみます。
小学生の場合、面積図が理解しやすいでしょう。
上の34×36を例にして説明します。
34×36は〈図1〉の面積なので、(ア)~(エ)の和を求めます。
(エ)を(イ)にくっつけたのが〈図2〉です。
〈図2〉を使って計算するならば
30×(30+10)+4×6
のようになりますが、これを変形すると
30×40+4×6
=(3×4)×100+4×6
となります。
ここから先がいかにもインド式なのですが、「×100」というのは位を
2つ左にずらすことと同じですから、12×100は「百の位を基準にすれば」
12ということになります。ですから最初の計算結果の上2ケタと
後の計算結果を並べて書いたものが答になるのです。
3×4×100+4×6=1224 …(答)
どうですか?この形なら「インド式」でやってみたくなったのではないでしょうか。
今後、このやり方が使えるシーンが何度もあるはずなので、逃さないように
準備しておきましょう。
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今週の1題計算の工夫
難易度★★☆☆☆
(1)15を10回かけ合わせるといくつになりますか。
ただし、
75937×75938=5766503906
を使ってもかまいません。
(2)次の計算を、工夫をして簡単に求めてください。
1 15×15 + 1 21×25 + 1 27×35 + 1 33×45 + 1 39×55 + 1 45×65
解答が表示されます