VOL.95【計算名人への道】インド式計算(3) -平均と掛け算-
前回と前々回は「2桁×2桁」の掛け算でしたが、今回も似た形が基本になります。
例えば「74×66」のように、「2つの数の平均が切りがよくなる掛け算」を取り上げます。
「74×66」で説明していきます。
「74」と「66」の平均は「70」で、「74」は「70」よりも「4」大きく、「66」は「70」よりも「4」小さいことを確認しておきます。
という要領で求めることができます。もう少しやってみます。
使えるケースは限られていますが、なかなかの威力だと思います。
これなら暗算でできそうですね。
例によって、なぜこのやり方ができるか考えてみます。
これまた面積図による説明です。
23×17を例にします。
23=20+3,17=20-3なので、〈図1〉の(ア)と(ウ)の面積の合計が答です。
(ウ)の長方形を(イ)のスペースに移動すると〈図2〉のようになります。
(イ)と(ウ)は縦の長さが同じで横は3だけ(ウ)が短いので、〈図2〉のように「3×3」の正方形の隙間ができることになります。
よって、「23×17」は1辺が20(平均)の正方形から1辺が3(差)の正方形を引いたものになるので、
今回の計算は桁を問わないという強みがあります。
2数の平均が切りのよい数になるときは、是非このやり方を試してください。
計算がグッと楽になりますよ。
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今週の1題計算の工夫
難易度★★☆☆☆
名門君は今週のブログ本文の「インド式計算(3)」を読み、「正方形から正方形を引いたものと同じ面積の長方形の縦と横の長さは、足し算と引き算だけで求めることができる」ということに気づきました。
(1)1辺が123cmと1辺が84cmの正方形の面積の差は、縦Acm、横Bcmの長方形の面積と等しくなります。
AとBを求めてください。
ただし、求める際には足し算と引き算だけを使ってください。
また、A<Bとします。
(2)1辺が296cm、275cm、254cmの3つの正方形から、1辺が171cm、150cm、129cmの3つの正方形を引くと、その面積は何cm2になりますか。
(1)の考え方を利用してなるべく筆算を使わずに求めてください。
解答が表示されます