VOL.17ニュートン算
先週(ブログvol.16<6/30号>)の問題は少しやり過ぎだったでしょうか。
細かくて見にくかったかもしれません。
ただ、このブログの問題は受験に向けてのトレーニングですから、それなりに負荷はかけていきます。
今後も「少し厳しいが真剣に取り組めば力がつく問題」を目指していきたいと思います。
算数が苦手な生徒さんのほとんどが図形が苦手です。むしろ図形が苦手だと、算数が苦手になってしまうと言ったほうが良いかもしれません。その理由をいくつか挙げます。
- 算数全体における図形の占める割合が意外と大きい。
- 図形が得意になると、比較的短時間で処理できるケースが多いため、試験での時間的なアドヴァンテージが得られるのに対し、図形が苦手だとどうしても時間不足に陥ってしまう。
- 図形問題は解けたときの爽快感が格別。逆に解けないとストレスがたまる。
このように、図形攻略が算数ができるようになるカギになります。
これからも図形には力を入れていきますので、ご期待ください。
今週のテーマはニュートン算です。
苦手にしている生徒さんも多いですが、コツをつかめば意外な位あっさりと解けるようになるかもしれません。
私が子供の頃、特殊算の中で一番難しいのはニュートン算だと思い込んでいました。
塾の先生が「これは難しい」と呟いたのを聞いて素直にそれを信じたのです。
しかし、難しいという認識は今では全くありません。
確かに以前書いた「上級分野」ではあるのですが、多様性がないので決まった解法で解けるケースが多いです。
通常の仕事算との違いは、必ず“邪魔”が入ることです。
“邪魔”の分だけ未知数が増えるので難しく感じるわけです。
ところが、他の部分で複雑にすることが難しいため、むしろパターンが少ない分野なのです。
「窓口」の問題を例にすると、開ける窓口の数と行列解消にかかる時間を2組与えるのが典型です。
このヒントであくまで比ではありますが、最初に並んでいた人の量と新たに並ぶ人(邪魔)の時間あたりの量を求めることができます。
当然、最初に並んでいた人の量や新たに並ぶ人の量がヒントの問題もありますが、それらを細分化して全て別のパターンとして記憶するのは得策とはいえないでしょう。
大切なのは、パターンが少ないと感じることです。
どこが未知数かによって解法が変わる部分はその場で考えて処理すればよいのです。
結局は考える「力」がここでも重要です。
「ニュートン算のパターンは1つか2つ」と感じられれば、得意分野になったも同然だと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題ニュートン算
難易度★★★☆☆
2つのアミューズメントパークAとBは隣接しており、同じ行列に並んで待ち、入園時にAかBを選ぶようになっています。
ある日、開園前から行列ができ始め一定の割合で行列に人が加わりました。
仮にAとBを選ぶことができず、開いている入場口から入らなければならないとすると、Aの入場口を2つ開けると5分で、Aの入場口2つとBの入場口を1つ開けると3分20秒で、Aの入場口を1つとBの入場口を2つ開けると4分で行列がなくなります。
また、行列に加わる1分あたりの人数が50人減ると、Aの入場口を1つとBの入場口を1つ開けると5分で行列がなくなります。
翌日、Bでイベントがあったため、開園前に前日の3倍の人数の行列ができ、開園時から前日の4倍の割合で行列に人が加わりました。
A2つとB2つの入場口を開けましたが、しばらくするとBは満員となって入場がストップとなり、Bに入場したい人は脇にそれて待機し、1時間後から入場を再開することになりました。
その間、Aは開園時から滞ることなく入場者があり、Bが満員になってから5分で行列がなくなりました。
その時、Bの待ち人数は1000人でした。
Aの入場口2つとBの入場口2つはそれぞれ同じ割合で人が通りますが、Aの入場口とBの入場口とではその割合は異なります。
(1)Aの入場口とBの入場口の1分あたりの入場者数はそれぞれ何人ですか。
(2)Bの定員は何人ですか。
解答が表示されます