VOL.14割合
各中学校は入試の結果を公表することが多いです。
その中の項目に受験者平均点と合格者平均点があるのが通常です。
よく言われるのが、「受験者平均点と合格者平均点の差が最も大きいのが『算数』である。よって、中学受験の最重要教科は『算数』である。」というものです。
中には算数の勉強時間に全体の半分をあてろ(個人的にはそんなにやらなくてもできるようになるやり方を提供していきたいと考えています。)なんてことも言われていますが、そんなに的外れでもないと思います。
受験者と合格者の人数がわかれば、受験者平均点と合格者平均点から不合格者の平均点を求めることができます。
面積図が書ければあとは計算するだけですね。
過去問を解く段階になったら、最低でも不合格者平均点を越えるように頑張ってください。
そこをクリアし調子が上がってくれば、合格者平均点位までは取れるようになるのが通常です。
さて、前回(ブログvol.13<6/9号>)の平均の問題ですが、いかがでしたか?
素数ということで整数問題の要素も入っていましたし、書き出して調べなければならなかったので、大変だったと思います。
このように、分野がまたがってきたときに、真の実力が試されます。日ごろから復習をし、苦手分野を無くしておきましょう。
今回のテーマは『割合』です。
まずはワンポイントアドバイスから。
損益 | まずはことばの意味を記憶しましょう。元にする量を明確にしながら進めます。線分図と面積図のどちらが有効か判断できるように経験を積みましょう。 |
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食塩水 | 濃度の公式は理科の公式(濃度(%)=溶質溶質+溶媒×100)を使うと便利です。基本は食塩の重さを追いかけるのですが、2種類の食塩水を混ぜる場合はてんびん図(面積図)が簡明です。 |
比をそろえる | 重要なテクニックの一つです。どことどこが共通なのかはっきりさせ、その部分を最小公倍数におけば解決です。 |
ボールのはねあがり | 逆からたどる、比をそろえる、等いままで学んだことを使って解くことができます。 |
割合は習った当初は元にする量を間違えるといった初歩的なミスを警戒すべきですが、比を習いある程度慣れた段階では得点源としての目処を立てたいですね。
そのためには問題を正しく読み込み、ミスを防ぐことが肝心です。
前回と同じになってしまいますが、自分にとってわかりやすい図・表・式を書きそれを見ながら解いていくということになります。
割合はしっかり学べば得意分野になるかもしれません。これを機会に頑張りましょう!
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題食塩水
難易度★★★★★
下の(表)のような3つの食塩水A、B、Cがあります。3つの中ではAが1番うすい食塩水です。
いま、10gを正確に量れる装置があり、これを使って10%の食塩水をつくることにしました。
AとBから1回につき10gずつ合計7回取り出し、70gで濃度が10%の食塩水をつくりました。
同じようにAとCからも合計15回取り出し、150gで濃度が10%の食塩水をつくりました。
AとCから15回より少ない回数で取り出しても10%の食塩水はつくれません。
また、残ったBとCに含まれる食塩の重さは等しくなりました。
(表)
重さ(g) | 濃度(%) | |
A | 720 | a |
B | 720 | b |
C | 720 | c |
※ a,b,cはすべて整数です。
※溶解度の関係から食塩水の濃度が26.4%を越えることはないことを利用してかまいません。
(1)a、b、cの値をそれぞれ求めてください。
(2)ABCそれぞれから最低でも1回は取り出すとすると、 何回取り出せば10%の食塩水をつくることができますか。最も少ない回数を答えてください。
解答が表示されます