VOL.2221問全力投球(8) 開成中
今週は「開成」を取り上げます。2021年3です。
今年のセットは大問3題で、1が小問集合でした。
小問は数字がやや大きいものの論点は頻出なものが2題、基本問題が1題、なぜそうなるのかまで突き詰めると難問であるものが1題でしたので、3問正解はある程度計算できました。
2が「立体図形」で三角すいの体積を求めるものでしたが、本校の受験生ならば3つ取りたい問題でした。これも他校で類題の出題例がありました。
そして、本問となります。
リード文が長く、いかにも「思考力」が要求されるような問題に見えます。
実際は他の問題との兼ね合いで、完答出来なくても合格に必要な点数には届きそうだったため、(3)まで解いて逃げるという戦略もあったと思います。
では、私ならどうするか!
解説していきます。
〈解説〉
(1)「まずは、やってみよう」という問題です。問題の例と同じように書けば良いのですが、後のことも考えて少し改良してみます。
A君、B君、審判、スコアスペースを縦に並べ、右から埋めていきます。審判だけ持っている数字ではなくもらった数字を書くようにします。
(答)0101
(2)「まずは、やってみよう」第二弾です。
(答)011010
(3)ここから逆算です。
まずは分かっている部分を表にしましょう。
B君が6点取るためにはスコアスペースに「1」が6個並び、1番左の審判が「0」でなければならないことに注意しましょう。
右から埋めていきますが、最初の審判は「0」なので1番右はB君も審判も「0」です。
以下同じ要領で表を完成させると下のようになります。
(答)110110
(4)ここからが本番です。どうやら答が1つではないようです。
ここまで、色々とやってきてきたので、本質に迫っておかなければなりません。
A君とB君の「1」の行方ですが、必ず審判かスコアスペースに行くことをしっかりと認識しておきましょう。
そして、審判の一番右が「0」になることも重要で、このことにより表中の数字が
A君+B君=審判+スコアスペース
になるわけです。
また、審判はA・B君の「1」を必ずどこかのタイミングでスコアスペースに吐き出すことも意識しましょう。
そうすると今回はA君の「1」が2回あるのに得点は「1点」なので、右の1点を審判が抱えた状態で左の1点のところまで行くことが確定します。
また、右から4番目のスコアスペースが「1」だとするとB君「1」、審判も「1」になりますが、そうすると審判の「1」が得点として増えてしまうので不可です。
ここまでくると、どちらで1点取るかだけの問題になるので、
(答)000111,010111
(5)ここまでの経験を活かします。
A君の2つの「1」をどのタイミングで回収するかなので、左3回と右3回に分かれる場合は
3×3=9(通り)
あります。
上のように左3回で回収しなければならなくなったケースは3通りなので、
9+3=12(通り)・・・(答)
最後はあっさりとなってしましましたが、本質を見抜けるとこんなものなのかもしれませんね。
本年もこのブログを読んでいただきありがとうございました。
現6年生向けの内容は今回で最後とさせていただきます。
受験生に一言。
「全力投球!」
来年からは現5年生向けとなります。
私なりに良い内容のものを皆様にお届けしたいと考えています。
どうぞご期待ください!
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題2進数
難易度★★★☆☆
2進数の小数点以下について考えます。
2進数は2つで位が1つ上がるので小数点以下第1位は 1 2 、第2位は 1 4 と考える事が出来ます。
同様に8進数の小数点以下第1位は 1 8 、第2位は 1 64 です。
(1)8進数の65.367は2進数ではどのように表されますか。
同じ数字の並びが無限に繰り返される少数を循環小数といいます。
その表記方の1つに数字の上に点を付けるやり方があります。
例をいくつか挙げます。
0.333・・・=0.3
0.123123・・・=0.123
0.1357357・・・=0.1357
(2)6進数の0.1001は10進数ではどのようにあらわされますか。
少数で答えて下さい。ただし、循環小数になる場合は点を付ける方法であらわして下さい。
解答が表示されます
<答>(1)110101.011110111
(2)0.1675