VOL.183【受験お役立ち情報】 -算数のレベル別対策-
世界各国で新型コロナウイルスのワクチンの争奪戦が起きているようです。
日本ではまだ少しかかりそうですが、各国の結果を見てから判断できるのはメリットだと思います。
今回のワクチンは新しい技術が使われている上に、通常3年以上かかる開発期間が1年ほどに短縮されているので、副反応等に不安が残ると主張する人もいるようです。
副反応で重いものにアナフィラキシーショックがあるようです。過去にこの反応が出た人は今回も同様な反応が出る可能性があるとのことです。
アレルギー体質がある場合は接種に慎重になる必要があるかもしれません。専門家によると、最悪、まわりの人たちに打ってもらって感染を防ぐという方法もあるとのことです。
どちらにせよワクチンによってこのパンデミックが収束に向かうと良いですね。
さて、レベル別のシリーズもできる側に入ってきました。
◎「上級」レベルの方針
このレベルの受験生は、模試等で平均点は確実に上回るだけの実力があると考えられます。そして前回の「図形」レベルの話と関連するのですが、このレベルでも「数量優位」か「図形優位」かで考え方がかわってきます。
2つのタイプそれぞれについて解説します。
①「数量優位」
塾の勉強(特に復習・計算練習)をきっちりやっている受験生に多いタイプです。本来、日々の学習をしっかりやり覚えるべきことを確実に覚え、基本事項のトレーニングが十分なのは理想的なはずです。
ところが、「算数」の場合単純な「量」が結果に結びつかないことがあります。いわゆる「思考の硬直化」が起きてしまうことがあるのです。
これは一般的に言われていることだと思いますが、「暗記・つめこみ重視」の学習は「考える力」が育たない可能性があります。「センター試験」から「共通テスト」への移行もその反省からでしょう。
私は個人的に高校までに習う全科目の中で、中学受験の「算数」が一番頭を使う科目だと思っています。そんな素晴らしい科目にチャレンジしている全受験生に、思う存分頭を使って欲しいのです。
ですから、目先の点数に拘って不必要な暗記といったことはやって欲しくありません。酷い例だと、問題集の解説を丸暗記なんて話も聞いたことがあります。
ここではっきりさせておきますが、中学受験算数を暗記だけで乗り切るのはまず不可能です。これは難関校になればなるほど顕著になります。パターン問題に強いことはそれなりに武器になりますが、最終的な結果には結び付きにくいのです。
「数量優位」の受験生が真っ先にやることはバランスを整えることです。ほんの少しで良いので「図形」的な感覚を取り入れること。これによって見える世界がかわってくるはずです。
バランスが良くなれば元々勤勉なので「算数」の成績が大きく伸びる可能性があります。
②「図形優位」
あまりいませんが、「図形」が得意だが上に突き抜けるまでには至っていないというタイプです。
ありがちなのが、自分は能力が高いという自覚があり、やらなくてもそこそこできるので努力を怠ってしまうというパターンです。
そして、改善するのが意外と厄介なのがこういった受験生です。
なぜ厄介かというと、他人のアドバイスを素直に受け入れないことが多いからです。
実は私はこのようなタイプの受験生には慣れていまして、預けていただければ良い方向に持っていく自信があります。過去にほとんど上手くいっていますので!VOL.131に実例があります。
ただ、一般的には、親や指導者がいくら言っても聞く耳を持たないという悩みが相当数存在すると思います。
これをどうすればよいかというのは、「中学受験における永遠のテーマ」の一つかもしれません。
「勉強しなさい」と口で言っても多分駄目で、「本人の自覚待ち」というのが正解と思われます。
ですから何か働きかけるとするならば、本人の自覚を促すように持っていくべきだと思います。私のやり方は背中を見せてそれで引っ張るというものですね。
いずれにせよこのタイプの受験生はひとたびやる気になれば、一気に上へ突き抜ける可能性があります。期待できますよ!
2つのタイプについて解説しましたが、結論から言うと、この2つのタイプの「いいとこどり」が理想です。十分上が目指せますから、やりがいがあるゾーンと言えるでしょう。
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