VOL.159【入試問題を解いての感想】-(14)栄東(東大クラス選抜)-
本ブログでは首都圏を中心に学校をセレクトしてきましたが、埼玉が抜けていることに気づきました。
今回は近年人気の「栄東(東大クラス選抜)」を取り上げます。
以前から骨のある問題を出題していましたが、志願者のレベルが追いついてきた感があります。
今年はどんな問題だったのでしょうか。
◎栄東(東大クラス選抜)
1小問集合
(1)平均
この手の問題は最も正答率が高くなります。
計算問題よりも受験生にとってはありがたいのかもしれません。
(2)整数問題
割り切れるというのはどういうことなのかを事前に整理していればすぐに解けますが、書き出し一辺倒なタイプの受験生は沈没したことでしょう。
出来た人にしても直感頼みだったケースが多数だったかもしれません。
これから勉強する人はなぜそうなのかをきちんと理解しておきましょう。
(3)集合
ベン図を描くのが普通でしょうか。
重なりを全部まとめて計算すれば良いわけです。
(4)速さ
2人の出会いです。
スタート時刻がずれており、一方が折り返す出会いですから私なら「グラフ」を描きます。
速さの比から道のりの比を求める流れをつくるのが大切です。
(5)立体の切断
直方体の斜め切断です。
三角すい台の体積は上部に三角すいをくっつけて考えれば解決です。
相似比が1:2の場合体積比は1:8になり、上と下の体積比は1:7は常識ですね。
(6)場合の数
ラグビーの試合の得点経過として何通りあるかを問う問題です。
トライフォーポイントの処理が明暗を分けたでしょう。
5点と7点で別のものと考えればうまく処理できると思います。
解法に関してはいくつか考えられますが、自分が得意な方法で解けるようにしておきましょう。
2消費税がかかることにより現れなくなる金額を求める問題
頻出のテーマなのですが、(1)(2)ともに違和感がありました(なぜ4つも答えるのか)。
(3)が主題で、2つを合わせたような設問でした。
これも4つ答えるのですが、これには意味があり、なるほどと納得しました。
(3)は「11の倍数-1」、「27の倍数+13または27の倍数-1」の両方を満たす数をみつければ良いのですが、時間との戦いという意味もあったかもしれません。
3垂直に立てた紙の通る体積を求める問題
(1)は頻出の基本問題。
(2)も何とかなるレベルでした。
ここで躓いた受験生は(3)には進めず終了です。
完全に形がつかめなくても、直感的に三角すいであることがわかれば良いでしょう。
(3)は(2)の一部なので、(2)から引き算すれば良いということに気付けば正解できたと思います。
しかし、そのような方針ではなく一から見取り図を起こすようなやり方だと、正解できたかどうか怪しかったと思います。
今回のセットの中では、スッキリした解法も用意されていたという意味で私の中ではイチオシの良問です。
4バラエティに富んだ通過算の問題
(1)から少し考えさせられます。
ほんの少しの応用問題ですから冷静に考えれば正解できると思うのですが、最後の問題で時間が切迫していたらどうなるのか。
実際の正答率はあまり高くなかったかもしれません。
合否を分けるのはこのあたりの問題を1、2問取れるかどうかが大きいのかもしれませんね。
(2)、(3)もそう簡単ではありませんが、答自体はそこそこキレイな数字になります。
学校側の頑張った人には取らせてくれる姿勢が感じられました。
そこそこ差がつきそうな問題が並んでいたので、何の対策もせずに臨むと痛い目に会いそうな試験でした。
本校を受験する場合は難易度に十分に慣れておく必要があります。
出題傾向もある程度安定しているので、対策も立てられると思います。
算数が得意な受験生がドカンと稼げる可能性があり、夢のある学校だと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題売買損益
難易度★★☆☆☆
A商店ではタルトを1個800円で仕入れ、それを丸々1個(ホール)で売るか、8等分したものを1個(ピース)で売っています。
1ホールは2000円、1ピースは300円です。
売り上げの合計から、仕入れにかかった値段の合計を引いたものを利益とするとき、以下の問いに答えてください。
(1)タルトを20個仕入れました。15ホールと36ピースが売れたときの利益を求めてください。
(2)ある日の利益が20000円でした。
仕入れたタルトは何個でしたか。
考えられる個数を全て求めてください。
ただし、ホールが丸々余ることはなかったことが分かっています。
解答が表示されます