VOL.90【受験生との歩み】 女子学院編
今回は、理想的な例をとりあげたいと思います。
伊達さん(仮名)は6年生の夏休み頃からの指導でした。
6年生になるまでは成績がパッとせず、志望校にはとても届きそうになかったのが、6月の模試で突然良い成績をとったそうです。
お母さんとしてはそれがマグレなのか実力なのか判断することができず、思い切って家庭教師センターに依頼をしたとのことです。
実は私は6件目のセンターだったらしく、試してみるのはこれが最後と決めていたそうです。
最初の授業はたまっていた塾の質問に答えて終わりました。
授業後にお母さんから「女子学院」に合格するにはどうしたら良いかを聞かれたので、次のように答えました。
- 出題傾向は「多問即答型」であることには変わりがないだろうから、「スピード」と「正確性」の両立が大切。
- その「スピード」を上げるにはどうしたら良いかというと、「反応」や「判断」の速度を上げるのが効率的なので、問題集を繰り返し解き(反応速度の養成)かつ授業で「判断」の基準を学ぶのがおすすめ。
- 純粋な「計算のスピード」はすでにある程度まで上がっているので、これ以上上げるとむしろミスする可能性が増すかもしれない。
また、急いだり焦ったりするのはミスを誘発するので絶対に禁物。 - ある程度知識を増やすことによって、「知っている」で済ませることができる問題はサッと解けるようになるはず。
そこで時間の余裕をつくり、複雑な問題や初見の問題に対応する。 - 授業では難易度が実際の入試問題よりやや上のレベルをやり、仮に入試が難化したとしても十分に対応できるような準備をしておく。
といった内容のお話をしたと記憶しています。
「他のセンターの先生の方が相性が良かったとか、よりお母さんが納得したというなら仕方ないなぁ。」なんてことを考えながら数日間待っていると、翌週も継続という連絡が入りました。
継続となると今後の授業の内容が大切ですから十分に打ち合わせをしました。
その結果、本人はもちろん、お母さんにも納得してもらうことができました。
そのとき決めた内容は
- 塾のフォローは最低限にする。
- 宿題は決まった問題集を1日3ページ程度とする。終わったところで、次のステップに進むのか、もう一度繰り返すのか、2冊を併用するのかの判断を私がする。
- 週1回、私が過去問をピックアップして作ったテストをやってもらう。
- 問題が生じたとき(例えば苦手な単元が発覚した等)はその都度柔軟に対応する。
- 授業のレベルは、最高難度の出題がされた場合を想定して、それに対応できるようなものとする。
となりました。
伊達さんは塾に通っていたのですがかなり忙しいらしく、宿題をこなすのがギリギリでした。
また、かなり初歩的な問題集から始めたのですが、出来は普通といったところだったと思います。
質問もそこそこの量があったのですが、その後が素晴らしかった!!
私が1度説明すると同じような問題はほぼ正解できるようになっていました。
その秘密はポイントをメモすることにありました。
伊達さんは大きめの付箋を用意していて、私が解説した「解法のポイント」を素早く付箋にまとめ、それを問題に張り付けていました。
多分それを何回も見直してしっかり頭に入れていたのでしょう。
同じ問題を2度間違えるようなことはほとんどありませんでした。
基本的な部分ではほとんど心配はいらなくなりましたが、難化に備えた学習はまだまだ先があると感じられました。
結果的にメインとなったのは私が編集した週1回のテストです。
伊達さんも塾の模試では偏差値70台をコンスタントに出していましたが、私のテストでは50%程度しか取れなかったので相当悔しがっていました。
伊達さんが頑張ればその分難易度を上げる、ということをやっていたら、気がつけば最高難度のテストになっていました。
正直、女子学院の対策でここまでやるのかというレベルになっていたのですが、塾での順位がどんどん伸び、春の時点では雲の上だった人達と肩を並べるまでになりました。
この経験は伊達さんにとって大きな自信になったと思います。
試験本番でも特に気負うこともなく力を出し切れたそうです。
結果はもちろん合格!!
6月に急激に成績を伸ばしてから入試本番まで、ずっと伸び続けた理想的な受験生でした。
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今週の1題平面図形・数の性質
難易度★★☆☆☆
次の に当てはまる数字を答えてください。
- 〈図1〉は中心角90度のおうぎ形OABの弧の上に、3等分点であるDとG、5等分点であるC、E、F、Hをとったものです。
斜線部の面積と合計は cm2です。
ただし、円周率は3.14とします。 - 300以上700以下の整数の中で、60との公約数が2個であるようなものは (あ) 個あり、6個であるようなものは (い) 個あります。
解答が表示されます