VOL.40直前対策(1)

数の性質


いよいよ入試本番が迫ってきました。直前の対策について書きたいと思います。

まずは今までの流れのおさらいです。

  1. 算数は「考える」ことが大切なので、その姿勢を大切にする。
  2. 「基本」の積み重ねが重要。まずは偏ることなく「知識」を身に着ける。
  3. 問題を解くことによって「知識」を運用する「力」を手に入れる。この「力」こそが頼りになる。
  4. 「記憶」はすぐに薄れるもの。復習が大切である。
  5. 基本が定着した後は「正解力」が重要。入試は点数を取ることが全てと割り切ること。
  6. 志望校対策は万全に。個々の実情に応じて無駄がないようにする。

このような流れで準備をしてきたならば、志望校合格の可能性は高まっていると思います。
それでも入試に絶対はありませんから、受験生はできだけのことをやっておきたいでしょう。

まとまった休みはまだ「冬休み」があります。
そこが最後の山場ですね。
弱点補強の最後のチャンスです。
ただ、冬休みは「理科」や「社会」の得点アップの絶好の機会なので、「算数」にあてられる時間は受験生それぞれで異なるでしょう。
上記1から6のどこからやれば良いか、指導者に見極めてもらい、効率よく学習してください。
特に4からやらなければならない場合は「冬休み」が本当にラストチャンスです。

残り1ヶ月を切った場合についても考えておきましょう。

時間はあまりないので、できることは限られています。
その中で有効と思われるのが「調子を上げる」ことです。

「調子を上げる」ためには何をしたら良いでしょうか。

よく「心・技・体」という言葉が使われますが、入試にもそれは当てはまります。
どれかひとつが欠けると途端に怪しくなってきます。
それぞれについて、どのようにすれば調子が上がるかを考えてみます。

「心」
受験においては「モチベーション」と言い換えても良いでしょう。
その学校にどれだけ行きたいかということですね。これが全ての原動力になりますから最重要です。
この「モチベーション」を上げる手段のひとつに「初心に帰る」というものがあります。
初めてその学校を目指そうと決めたときの気持ちを思い出すとやる気がわいてくることが多いようです。
また、中学生活を具体的にイメージするのも良いですね。
好きなクラブに入るなど充実した中学生活を送る自分をイメージすることによって、やる気が増すでしょう。
これからの時期は「マイナスのイメージ」を持たないことが大切です。
結果を心配したところで点数は上がりません。
前を見てまっすぐ進むような気持ちになれれば良いですね。

「技」
今まで勉強してきたことがこれです。
算数の場合、積み重ねが大事なので、短期間に「技」を身に着けるのは困難ではありますが、分野によってはそれが可能になるかもしれません。
例えば「数の性質」では「知っている」で片付けることができるような問題が比較的多いように思います。
「数論」は全体的にその傾向が強く、いわゆる「元ネタ」のようなものがあり、それを知っていればその分有利になるケースも見受けられます。
一方、「立体図形」の中でも特に「立体感覚」が必要な問題であったり、「場合の数」のその場で考えなければいけないような問題は、何か少しやることによって不正解だったものが正解に変わることはあまりないと考えて良いでしょう。
ということで結論は、『「数論」の分野の中で、知識で片付けられそうな問題を多めにやっておく』ということになるでしょう。
また、単に「調子を上げる」ということでしたら、少しやさしめの問題をリラックスしながら解くというのも良いでしょう。
あまり難しい問題は直前にはおすすめできません。
ジタバタしてもしょうがない意味があるので、1日1回、1年分の過去問を解けば十分というような状態を目指してください。

「体」
最後の最後に一番厄介なものが残った感があります。
「体調管理は万全にしましょう」で終わりにできれば良いのですが、一定の割合で体調を崩す受験生がいるという現実があります。
まず、「睡眠不足」は絶対に避けてください。
勉強時間の確保は重要ですが、眠いと効率が著しく低下します。
計算すると睡眠不足がいかに馬鹿らしいかわかります。
10時間の勉強時間を2時間増やすとします。
そのために睡眠時間が7時間から5時間に減ったとしましょう。
眠いと当然効率が落ちます。
必死に頑張ったとしても20%は落ちてしまうでしょう(実際は50%以上落ちるケースもあります)。
そこで計算します。
12時間の80%は
12×0.8=9.6(時間)
となり、7時間睡眠のときよりも勉強時間が減った計算になります。
これが馬鹿らしさの正体です。
いまやった20%効率が落ちるというのはかなり控えめなものです。
実際は種々の体の不調を伴うことが多く、脳にもダメージがあるのです。
しっかり寝て、「量より質」と考え方を切り替えていきましょう。
次になんとも憎たらしい「インフルエンザ」です。
予防接種は必須ですが、それでも毎年何人かは発症してしまいます。
「マスク」「うがい」「手洗い」「余計な外出は控える(人ごみを避ける)」等、当たり前のことはやってください。
それでもかかってしまったら次のように考えてください。
「インフルエンザで調子が落ちても、治れば調子は上がるのみ!」
実際、1月上旬に発症し、調子がどん底だったのが、体調の回復と伴に尻上がりに調子を上げ志望校に合格といった例もあります。
ピンチをチャンスに変えることができた好例ですね。

直前はただ勉強すれば良いというわけではなく、心や体にも気を配ってください。
受験生の皆さんが穏やかな気持ちで試験会場入りできることを願っています。

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今週の知識問題2題 

難易度★★☆☆☆

1.

101枚のカードがひとつの山に積んであり、一番上から1,2,3,・・・の順に101まで番号が書かれています。このカードを次の規則にしたがって最後の1枚になるまで減らします。

一番上のカードを捨て、二番目のカードを一番下に戻す、ということを繰り返す。

一番上と二番目のカードを捨て、三番目のカードを一番下に戻す、ということを繰り返す。

(1)

①の規則でいちばん最後に残るカードに書かれている数字は何ですか。

(2)

②の規則でいちばん最後に残るカードに書かれている数字は何ですか。

2.

621から629までの9個の整数を掛け合わせます。

(1)

一の位から連続して何個「0」が並びますか。

(2)

下の位から見ていったとき、最初にくる「0」以外の数字はいくつですか。

クリックすると
解答が表示されます
<解答>1.(1)74 (2)30  2.(1)4個 (2)4
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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