VOL.160【入試問題を解いての感想】 -(15)ラ・サール

入試問題を解いての感想


今年も西日本を中心に水害が起きました。

昨今の風潮はこういった事が起きるとすぐに「地球温暖化」と結びつける傾向があると思います。
私は否定も肯定もしませんが、理科で習う「比熱」の考え方を基にして考えれば、この考え方には「消極」ということになります。
なぜなら、いくら空気が温まっても水の温度上昇にはほとんど影響がないからです。

ただし、入試問題で
「化石燃料の大量消費」→「二酸化炭素の大量発生」→「温暖化」→「異常気象」
という流れが感じられる場合は、それにそって解答しなければ点数が入らないので、そこは割り切るようにしましょう。

ということで、今回は九州の学校を取り上げることにします。

今週の【入試問題を解いての感想】は九州の雄「ラ・サール」です。

名前からもわかるようにカトリック系の学校です。
昔から進学校として有名ですが、近年は医学部進学実績の高さが注目されています。

いわゆる銀本にも首都圏以外の学校で掲載されているのはは本校と「灘」くらいだったと思います。

個人的には、無理のない良問で受験界をリードしてきたと感じています。

今年は一体どんな問題だったのでしょうか。

◎ラ・サール

1.計算

(1)小数の計算
「分配法則の逆」と「0.25×4=1」を使う平易な問題でした。

(2)分数の計算
「分配法則」を1回使うと消える部分があるのでそれをやってから「分配法則の逆」を使います。前から馬鹿正直にやるとかなりの危険な問題でした。

(3)小数の逆算
この問題が3題の中では一番解きやすかったかもしれません。

2.小問集合

(1)27で割った商と余りが等しい数を求める問題でした。
3桁の最小と最大でしたが、最大は少し注意が必要です。

(2)倍数変化算です。本校の受験生にとっては基本レベルだったでしょう。
比の式を立てれば解決です。

(3)正六角形の分割→面積を求める問題でした。
等積変形が得策だったと思います。

(4)長方形を折ってできた角度を求める問題でした。
この手の問題は
「折ったものは戻す」
「ひし形ができる」
等の定石を知っていると楽に解けます。

3.直方体の切断→体積を求める問題
前にもでてきましたが、三角すい台の体積比の典型的なものに1:7があります。
本問ではその数字がそのまま体積だったので、すっきり解けた受験生がほとんどだったでしょう。

4.整数に2020を掛ける問題
(1)が誘導になっています。
ほとんどの受験生が(1)をまともに筆算したでしょうから、それを生かして(2)を求めよということです。
素直に従っておいて問題なかったと思います。

5.円周上を2点が移動する問題
(1)はよくある問題なので簡単に答が出たでしょうが、(2)(3)はグラフを描かないと苦しかったでしょう。
(2)はグラフを描ければそれで終了なのですが、(3)は計算の煩雑さが伴うので、正答率は低かったと思われます。

6.三角形の回転 → 相似の発見がテーマの問題
よくある問題に比べて1cmずれています。
考え方はあまり変わらないのですが、(1)が勝負所だったかもしれません。
二等辺三角形になることがわかれば、あとは流れるように解決します。
相似比が4:3と出れば完答が見えてきます。

全体的な印象は、一部のサービス問題を除いては少しづつ差がつきそうな問題が並んでいるというものです。

本校を志望する場合、極力、正解側にまわれるような勉強を心がけてください。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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